小さな動物って飼いやすそうに見えますよね。けど、小さいとはいえ生き物。中途半端な覚悟で購入してしまうと「思っていたのと違う…面倒見きれない」なんてことになりかねません。
そこで、インコの飼育歴20年以上の筆者が「一人暮らしでインコを飼うために必要なこと」をご紹介します。
(インコは種類がたくさんあり種類差も大きいので、ここではインコのなかでも最もポピュラーなセキセイインコを例に説明していきます)
一人暮らしでインコは飼える?
ポイントは3つ!
1、インコとの時間はキチンととれる?
2、飼育環境はある?
3、寿命は知ってる?
インコはペットとして大人気の動物。飼育が特殊というわけでもなく、愛情とキチンとした飼育設備さえあれば、一人暮らしでも十分飼える動物です。
ただし飼育は簡単ではありません。小さいからと言って楽なわけではないんです。世話の大変さを理解して飼わないと、こんなはずじゃなかったと後悔することも。
そこで、自分の生活スタイルで飼っていけるのか「インコの性格」「インコの世話」「インコの寿命」の3つから判断するのをおすすめします。
(筆者は犬、うさぎ、インコ、ハムスターなど色々な動物に囲まれて育ちました。その中でも、インコの飼育が1番大変だと思っています…)
1、インコの性格を知ろう
インコはとても寂しがりや。群れで生活する生き物なので、一人にしているとストレスが溜まって早死…なんてことにもつながる繊細ないきものです。
飼い主さんは毎日インコとの時間をとって、愛情たっぷりに遊んであげることが大切です。
セキセイインコの知能は2〜3歳の子どもと一緒
セキセイインコの知能は、人間の2~3歳児と同等とのデータがあります。
実は、犬・猫も人間の2~3歳児と同じ知能を持っているといわれています。つまり、インコは犬・猫と同じくらい知能が高いいきものなんです。
セキセイインコを飼うときは、「2~3歳児の子どもと一緒にいる」と考えると、イメージしやすいかもしれません。
人間の2~3歳って、構ってほしかったり、自己中心だけど寂しがりやだったり…でもちゃんと自分の意思を持って行動しています。そんな子と一緒に暮らすと考えましょう。
(体が小さいので人間よりは断然楽です。成長すると大人びた落ち着いた性格になります。)
インコの一生をまとめた記事があるので興味のある人はこちらも参考に。
ストレスに弱い
個体によって大小はありますが、「出張で出かけている間、別の家で面倒を見てもらおう」など頻繁にインコの生活環境を変えていると、それがストレスになり食欲不振や毛抜きに陥り、寿命を縮めてしまいます。
家を空けることが多い人はあまりおすすめできません。
逆に家によくいる人はインコはぴったりです。良い関係が築ければ、飼い主さんの後をついて回ったり、肩に乗って離れなかったりと、インコ愛溢れる生活ができますよ!(ただし、寝るとき以外常にさえずっているのでとてもうるさいです。それは覚悟しましょう)
複数飼育という手もある
家にあまりいないという人は複数飼うという手もあります。複数飼うと仲間がいて寂しくないので、頻繁に構わずにすみます。
ただし、複数飼いをすると人間にべったり懐きません。「インコと人間は別の生きものなんだ」という明確な区別ができます。
我が家で複数飼いしていたころは人に全く懐かない、ボス感漂う孤高のインコに育った子もいました…。
犬猫に比べ懐きにくい
犬猫に比べると、インコは自己中心的でやや懐きにくい動物です。SNSでは飼い主にべったりしている動画や画像が見られますが、あれは飼い主が献身的に愛情を注ぎ、お互いに信頼関係を構築してようやく見られる光景。飼育してすぐにインコと触れ合える、楽しい生活ができるとは限りません。
特に一人暮らしで仕事が忙しく、かまってあげられる時間が取れないと、あまり懐かず、つかず離れずの距離になってしまいます。
ちなみに基本、人の言葉は話しません
セキセイインコと言えばおしゃべり!と思うかもしれません。しかしインコは基本、人の言葉は話しません。
人間で考えるとわかると思うのですが、人間が鳥の言葉を話そうとして簡単に話せるものではありませんよね。インコが話してくれるのは、種族を超えてまで同じ言葉を話したい!と思えるほどの関係性と、努力家なインコの性格(個体差が大きく関係)が奇跡的に合致した瞬間だけ。
つまり、インコは基本、人間の言葉は話さないんです。話してほしいと思ったら、お互い全く言語が通じない外国の子どもに日本語を教えるくらい、根気と努力が必要になります。
2、インコの世話を知ろう
インコにどんな世話が必要なのかを簡単に説明していきます。
早寝早起き
インコは日の入りとともに寝て、日の出とともに起きる生活が理想です。
飼い主になると夜の6〜8時頃には暗い静かな部屋に連れていき寝かせます。また、早朝の7時頃には日光が差し込む部屋に連れて行く生活になります。
これはインコの発情期をコントロールする意味があります。明るい時間が多いと発情期が起こりやすくなり、病気につながるためです。インコは一度大きな病気にかかると回復が難しいため、日々の体調管理がとても重要になります。
インコは夜6時〜朝7時まで寝ているの?
暗くしたからと言ってインコはずっと寝ているわけではありません。起きてごはんを食べたりもしています。だから少々物音を立ててしまっても大丈夫。「隣の部屋に寝ている人がいるから物音には気を付けよう」という程度で大丈夫です。
やるべきことは、夜になったら「暗く静かな環境にして、眠れる環境にする」これが重要です。そのため夜更かしさんはちょっと辛いかもしれません。
日光浴も重要
インコは太陽の光を浴びることで体内でビタミン等の精製を行い健康管理をしています。太陽を浴びられないと体が弱り体力低下につながります。日光も必要です。
日が入りにくい部屋の場合は、日光浴のためのライトを取り付けるなどの対策が必要です。
(日光浴といっても直射日光はNG。光が入りケージが明るくなるくらいの環境にします)
温度管理
インコは温暖な地域で生息するいきもの。生活温度は15~28度が理想です。
日本では四季があり冬は寒く夏暑いため、そんな気候でも快適に過ごせるように気を付けましょう。飼い主がいない外出時にはエアコンをつけっぱなしにしておくなど、温度計を見て都度気にしてあげると良いですね。
(そのぶん電気代はかかります)
ケージの掃除
インコはきれい好き。けれど自分でトイレに行くことはできません。飼い主さんが毎日ケージの下の紙を取り換えてあげましょう。エサと水の取り換えも毎日行い、インコがキレイな環境で過ごせるようにお世話をします。
※インコとの暮らしは結構汚れる
インコは飛びながらフンを投下したり、毛づくろいによって※脂粉が飛び散ったりします。特にフンは頻繁にするので、お気に入りの場所にずっといる子は一日で足元にタワーをつくることも…。インコは放鳥が必要なので、家のあちこちがフンだらけになります。
掃除は意外に厄介です。
放鳥する
毎日、部屋の中を自由に飛ばせる時間が必要です。最低でも1時間はケージの外で自由に飛ばせます。狭い家やモノが多い家はインコが衝突してケガをしやすいため、物をどかして飛び回りやすい環境を作ります。放鳥になれない頃はケガをしやすいので、近くで見守ってあげましょう。
インコが自然と部屋に帰っていくまで遊ばせてあげられるのがベストです。(おすすめは3~5時間)
放鳥中はたっぷり遊ばせてストレス解消
一人暮らしだと部屋数も少なく広さもあまりないでしょう。インコの場合は、そのスペースだけで一生を終える場合もあるため、退屈しないように工夫してあげられると良いですね。
例えばいろんな場所におもちゃを置いたり、鏡を張り付けたり、棒を括りつけたりして、部屋の中をアスレチック風にしてあげると喜びます。
放鳥中にゴミを食べたり事故にあったりしないように清潔でフラットな環境も心がけましょう。
ちなみに、我が家の場合は在宅仕事が多いので、夜以外ずっとケージの入口を開放しており出入り自由状態です。家のあちこちの鏡を置いたり、止まり木を作ったりして遊ばせています。
仕事中にちょっと顔を見に来たり肩に乗ってさえずったり…放鳥になれてしまえばある程度放置しても問題ありません。(とはいえ、突然の事故はあるので常に注意は必要です)
3、インコの寿命を知ろう
セキセイインコの場合、寿命は約10年。短い子でも大体8年は生きます。それだけ長い間一緒に暮らせて、きちんと愛情をもってお世話ができるかどうか…飼うときにしっかり考えましょう。
インコは鳴いてしまうためバスや電車等を使った長距離の移動は難しく、一度一緒に暮らすと最低でも8年は長期間の旅行は難しいと考えてください。(インコの性格にもよりますが、一年に1回程度なら人に預けても大丈夫です)
年を取ると介護をする必要も
年を取るとインコも病気にかかりやすくなります。さらに長寿の鳥は足が悪くなったり、あまり動けなくなったり、ごはんがうまく食べられなくなったりします。
最後は介護をする決意が必要です。
性格・世話・寿命を理解して一緒に暮らすか判断を
インコを飼うなら最低限知っておきたいことを紹介しました。インコは犬猫よりも小さいため、狭いスペースでも飼いやすい生き物。しかしそのぶんか弱く繊細です。
インコは小動物なので、病院に行っても「小さすぎて手術ができない」「わからない」と言われることがあります。そして、小鳥と言えど病院費用はバカになりません。病気にさせないためにも、日常のメンタル・健康ケアがとても大切です。
「インコの性格」「インコの世話」「インコの寿命」を知って、一緒に暮らせそうだぞと思ったらぜひお迎えしてあげてください。
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