インコのお世話は意外に大変です。小柄な体で飼育スペースもあまり必要なさそうだし…なんて考えていると飼育して後悔することも。
そこで今回はインコと20年以上暮らしている、インコを愛してやまない筆者が、飼育するうえで大変だったことを紹介します。飼育を決めるまえに、お世話ができるかどうかチェックしてみましょう。
インコのお世話で大変な12のこと
インコは動物だからお世話なんて簡単!…だと思いますよね。ところがどっこい、お世話はかなり面倒です。
私は犬、猫、ハムスター、ウサギ、インコなど色々な動物と暮らしてきましたが、その中で飼育の大変さはインコ(小鳥)も犬も猫も変わりません。むしろインコの方が大変なこともありました。
そこで今回は、
こちらを中心に12の項目に分けて、インコの飼育で大変なこと・デメリットを詳しく話していきたいと思います。
日々のお世話で大変なこと
①群れでの生活がキホン!放置すると病気に
大抵のインコは数十羽の群れで生活し、常にコミュニケーションをとって生活しています。群れと引き離された環境は退屈や寂しさを感じやすいため、ストレス性の病気になりやすい動物です。
飼い主になったら、おもちゃをたくさんあげて退屈しない環境を作り、毎日声をかけてあげてかまってあげる時間が必要です。
インコは群れでいることによって外敵から身を守ります。一人でいると「敵に襲われやすい=死ぬかもしれない」という不安な環境なんです。
②放鳥時間が必要!
インコは元々大空を羽ばたいて一日中飛び回る生きもの。そのためインコを飼育すると、ストレス発散と程よい運動をさせるために、1日に最低でも1時間は部屋の中を自由に飛んで遊ぶ時間が必要です。また、インコが飛び回れるくらい広いお部屋も必要ですね。
セキセイインコなどちょこまかと動き回る小鳥の場合、放鳥時間は、3時間以上をおすすめします。1時間だと明らかに少ないです。
インコは飛べないとストレスが溜まり、放鳥したら全くケージの戻りたがらない、噛みつく、呼び鳴きをするなどの問題行動を起こします。
③掃除が大変(特にトイレが…)
インコはトイレトレーニングができません。出したくなったらすぐ出します…。
しかもフンを投下する頻度はかなり多く、手に乗せたら出す、くつろいだら出す、飛行中に出すなど「気が付けばフンが落ちている」「なぜこんなところにフンが!?」ということが日常茶飯事です。
インコは部屋の中を自由に飛び回る「放鳥時間」が必須の動物なので、部屋のあちこちにフンを投下される覚悟はしておきましょう。
餌の掃除も大変
インコはエサを散らかしながら食べます。
インコの主食はアワやキビなどの雑穀ですが、その破片がケージを中心に1m範囲は飛び散ることを覚悟しましょう。
多くの飼い主は、ケージの下に段ボールで受け皿のようなものを作ったり、インコのエサ置き場の周辺にアクリル板を付けるなど対策を取りつつお世話をしています。
ケージの掃除も忘れずに
ケージはすぐに汚れてしまうので、インコを病気にさせないためにも、毎日ケージ下にある紙を取り換える作業が必要です。
たかが掃除と侮るなかれ!ふわふわの毛や餌の粒がたくさん落ちているため、少しの風で舞い上がって大惨事に…。
数か月に1度はケージを水洗い
ケージの下に敷いている紙は毎日取り換えますが、それとは別にケージ自体を洗う必要もあります。これが意外に重労働。たわしでゴシゴシこすって、ケージについているフンを取ったり、食べかすを除去したり…洗い場が小さい家だと結構大変です。
④夜更かしさんはツライかも…。早寝早起きがキホン
インコは日の出とともに起きて、日の入りとともに寝静まる生きもの。明るい時間が多いと発情期など、体内のリズムを崩して病気になってしまいます。
インコを飼育すると早寝早起きがキホンです。
私は夜更かし人間だったので、飼育はじめはつらかった…
寿命や鳴き声、インコの習性で考える
⑤寿命が長い
インコは小型で10年、中型で20年、大型で50年近い寿命があります。一度飼育すると最低でも10年ほどは一緒に暮らすことに。10年一度も病気にならず過ごすことは難しいですし、最後には年を取り、歩けなくなる可能性もあります。その場合の介護も必要です。
それらすべてをひっくるめて、最後までお世話し続けなければいけません。今回紹介している「インコのお世話で大変なこと」は10年は続くと考えましょう。
⑥鳴き声がうるさい!マンションは大変
インコは常にさえずっています。小柄なセキセイインコでも結構うるさいです。
窓や壁があるのに、家の中まで野鳥の鳴き声が聞こえることがありますよね。あんな感じをイメージしましょう。あの声が至近距離で絶え間なく繰り返されます。
近所迷惑にならないように、壁や窓にアクリル板などを張り付けて騒音対策をしながら暮らす飼い主もたくさんいます。オウムや大型インコなどの声が大きな種類は、防音に配慮されているマンションでも飼育が難しいほどの声量で鳴くことも。
飼育する際は、音の問題が出てくることはお忘れなく。
⑦おしゃれをセーブして!
動物全般に言えることですが、インコに科学的な臭い、アロマ、香水、お香、線香などはすべてNGです。最近はアロマが流行っていますが、使ってはいけません。まだ何が悪いか解明されていないのですが、「匂いがするもの」を使用したことにより、死亡したインコがたくさんいます。
同様にシャンプーやコンディショナー、ボディミルクなど、身に付けるものはすべて気を付ける必要があります。
おしゃれ好きな人、部屋で自分の時間を楽しみたいという人には、我慢が必要です。
インコは人見知り。人嫌いの子は大変かも
⑧犬猫よりも懐きにくい。(そもそも懐かない)
インコは犬猫よりも懐きにくい生きものです。小さな頃から人が育てていないとほとんど手乗りになりません。子どものころから育てても、インコの性格によっては「人間大好き!」という子もいれば「人と馴れ馴れしくしたくない!」「人間が嫌い」という性格になる子もいます。
犬猫よりも、少し距離がある。それがインコです。
人見知りの子を迎えたら優しく声をかけてあげたりおもちゃで遊ばせたりして、時間を掛けて心を解きほぐしていく必要があります。飼育を始めて1月~3か月は懐かないかもしれない…と覚悟しましょう。
そして、それでも懐かない子はいます。家族の一人にしか懐かない子もいます。(特にこれが多いです!)
これも仕方のないことです。少し理想とは違うかもしれませんが、好きな食べ物を与えたりして関係を改善していくのも楽しみだと思います。
初対面の時期に無理やり嫌がることをすると、一生嫌われてしまいます。飼育するとすぐに手に乗ってほしい、おしゃべりしたいと思いますがインコの心が最優先です。
大人まで育った子をペットショップから引き取った知人がいますが、5年近く懐かなかったと言っていました。(まあ、ペットショップで嫌な経験をしたことが一番の原因のようですが…)
おしゃべりは期待しないで!
インコと言えば、人間の言葉でおしゃべりをする光景を思い浮かべるでしょう。しかし、あれはかなり特殊な子です。
考えればわかるのですが、発音も体のつくりも異なる種族の言語を操るのはものすごく難しく、高度なことです。人間でいうと話せるのは、エリート中のエリート、言い換えれば研究者オタクでかなりの変人。そんな変人がゴロゴロいるわけがありません…。
人間の言葉を教えたいなら、一部の天才小鳥ちゃんを除き、言語学者を育て上げる勢いで人間が教え続ける必要があります。
お留守番について
⑨旅行に行けなくなる
インコを飼育すると、長期旅行へは行けません。旅行好きなら、インコの飼育は難しいかもしれせんね。
インコは鳴いてしまうので、バスや電車での移動に向いていません。自家用車ならまだ良いのですが、揺れで足に負担がかかりますし、そもそも環境変化にストレスを感じる生きものなので、移動させるのは極力減らしたいところ。
家で1人お留守番をさせるとしても、エサと水をたっぷり入れて1泊が限度です。
私は、インコを飼育していて一番大変(ストレス)だと感じた部分が外泊できないことでした。インコは小型で10年、中型で20年、大型で50年近い寿命があります。その長い期間、長期旅行を我慢できるかどうか…飼育する際は決断が必要です。
飼育費用について
⑩電気代がかかる
インコの飼育はまあまあ費用が掛かります。特に温度調整ですね。インコは15度~28度の気温の中で飼育します。夏場や冬場はエアコン・ヒーターはつけっぱなしです。その分電気代もかかります。
⑪病院費用がかかる
これは必須ではありませんが、毎年の健康診断をおすすめします。インコは体力がなく一度病気になるとすぐに体調が悪化して亡くなるケースが多いです。病気にかかったら何度も病院にお世話になる場合も。
病院費用はバカになりません。すぐに1万・2万は越えてしまいます。
インコを苦しませないためにも、通院費用を抑えるためにも早期発見は大切です。ちなみに、健康診断は1回で15,000円程度かかります。(健康診断も結構高いので、受けるかどうかは個人の好き好きですが、鳥類専門の医師は推奨しています)
そのほか、インコのお世話で大変なこと
⑫病気になると大変!常に予防、予防…
インコは小型の動物のため、何かあるとすぐ致命傷になってしまいます。
また鳥類専門の医師は少なく、「手術が行えない」「原因がわからない」という理由で命を落とす子もたくさんいるんです…。飼い主になったら、病気にさせないように、常に予防、予防の精神! 先回りしてお世話をしていきます。
ちょっと体を膨らませている、いつもと違う行動をしていると「病気かもしれない…注意しなきゃ」と神経を使うのがインコのお世話で大変なところ。
毎日の体重測定
毎日、体重計に乗せて体重を記録します。
部屋の片づけ
インコは落ちているものをすぐに食べてしまうため、部屋は常に清潔に。放鳥時間の邪魔にならないように、フラットな環境も整えます。
糸くずなんて飲み込んでしまうと、胸やのどを開いての大手術です。そもそも、そんな手術ができる医師が近くにいないことの方が多い…。
食事の栄養バランス
バランスの良い食事を与え、たまに青菜や果物をあげたりして食事面から健康に配慮します。
病気にさせないためにも、栄養のある食事、ストレスのない環境、のびのび飛べる時間を作るなど、日ごろからの体調管理が大切です。
寂しくさせないなど、精神面のケアも必要ですね。環境・食べ物・心、色々な方面からお世話をしていきます。
筆者的にインコの飼育で大変だったことTOP3は?
12個もあるので、「ありすぎてわからない!」と思う人もいるかもしれません。そこで、今回紹介した12の中で厳選してTOP3 を決めました。
第三位:掃除
ものぐさな筆者の性格のせいか、結構掃除が大変だと思っています。特にインコのケージの掃除が大変です。常におもちゃや菜っぱなどが配置されているため、いちいち分解して掃除するのは一苦労。
実際に我が家のインコのケージ写真を掲載している記事があるので、どんなケージになるのか、これを分解して掃除するのか…なんて参考に確認してみてください。
第二位:早寝早起き
ちょっと夜更かししても、インコのために朝7時には置きます。休日でも祝日でも関係ありません。すべてはインコのため…!
また夜の11時以降には大きな音を立てないように気を付けています。インコは暗い部屋にいるので、音楽もかけられないし、夜食を食べよとしてレンジでチンとかもほとんどできません。我慢できないときはちょっとだけケージをチェックして音がするよ~という雰囲気を醸し出し…チン!と言う流れ。
第一位:旅行ができない
1人暮らしを満喫していた筆者にとって、インコとの同居は楽しい反面、どこにも行けずもどかしい思いはたくさんしました。ちょっと温泉旅行行こうよ!ハワイ行こうよ!なんていわれても簡単には行けません。
休日も近くにいて放鳥してあげたいし、平日も近くにいて放鳥してあげたいし…。気温が変わって寒い思いをするとすぐ体調を崩してしまいますし、人がいない部屋で何があるかわかりません。友達、恋人よりインコ!そんな人生になります。
番外編:病鳥のお世話はホントに大変
今回の記事で何度も、インコが病気にならないように、ストレスに弱いので病気に注意…と記載してきました。その理由はこの記事を書いているつい最近まで、私自身が病鳥のお世話をしていたからです。
病気が加速するとインコは動けなくなります。飲食ができません。人間が数時間に一度、病気で苦しそうな鳥の口を無理やり開けて餌や薬、水を入れます。想像以上に大変です。そんな中、仕事があるからと家を出ると、帰ったら冷たくなっているかもしれません。そもそも食べ物を口にできないため、仕事になんて行っていられません。
そんな状況が数週間以上続きます。かなり精神的に辛かったです…。
その状況にならないために、神経をとがらせて先回りして行動するのが大切です。
お世話は大変だけど、それを超えるほど可愛いのがインコ
インコのお世話は大変です。しかし、それを軽々と超えるほど可愛らしい生きものです。インコとの生活が楽しければ、お世話の大変さなんてすぐに慣れてしまいますよ。
ただし、旅行や早寝早起き、放鳥など、インコと暮らす上で必須の条件ができる環境がなければ、お互い不幸になってしまいます。今回紹介したデメリット・大変なことを参考に、お迎えできるかどうか考えてみてください。
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