人間にとってインコは「言葉が通じない生きもの」ではありません。知識があれば話している内容をきちんと理解できる、言葉がわかる生きものです。
そこで鳴き声の違いでどんな気持ちなのか、何を言っているのかを紹介します。インコ語の知識さえあれば、まるでインコと会話ができているかのように暮らせますよ。
インコの鳴き声を理解して、より良い関係を築いていきましょう!
鳴き声でわかるインコの気持ち【幸せ編】
幸せな時の鳴き声を紹介します。この鳴き声が聞こえたら、インコがとても楽しんで生活している証です。
ピュロロロ~ピュロロロ~♪
きれいな音色で「ピュロロロ~ピュロロロ~♪」とさえずるときがあります。これは何を言っているのでしょうか。
→「大好きだよ!」
これは、オスがメスに向けてアピールするときや、飼い主に「大好き!」と伝えてくるときに鳴く鳴き声です。
「ピュロロロ~ピュロロロ~♪」のように鳴くときは大抵ご機嫌なとき。インコを見ていると楽しそうな雰囲気が伝わってきます。
似ているけれどちょっと違う「ピュ~、ピュルル、ピュルル」は?
「ピュロロロ~ピュロロロ~♪」と似ている鳴き声ですが、「ピュ~ルルルル、ピュルル、ピュル」など変な節をつけてご機嫌に鳴くときは、ものまねの練習をしているとき。
「あの時に聞いた声はこんな音だったかな?」と音階をチェックしたり、聞いた音をアレンジして、作曲して遊んでいるんです。耳を澄ませると、人間の言葉や知っている曲らしきものがたまに聞こえてくるかも!
「クククク」「クルルル」
インコがおもちゃで遊んでいるときや飼い主を見ているときに「クククク」「クルルル」と聞こえる鳴き声をします。これは何を言っているの?
→うふふふ♪
「クククク」「クルルル」という鳴き声は、楽しくてついつい出てしまった笑い声です。
大好きな飼い主が笑っているとき、楽しそうにしているときに「クククク」と鳴いていることも。これは大好きな人が楽しそうにしているのがうれしくて、つられて笑ってしまったんです。ぜひ観察してみてください。
つられて笑ってしまうなんてかわいすぎる…!
「チッチッチ」と短く鳴くとき
新しいおもちゃを見せたり、遊んでいるときにテンションが高まると「チッチッチ」と鳴くことがあります。これは何を言っているのでしょうか。
→「やったぜ!」「わくわく♪」「わーい!」
「チッチッチ」という鳴き声は、ワクワクしたり「やったぜ!」と興奮したりしたときに出る独り言。「※地鳴き」の一種です。
インコは好奇心が旺盛で楽しいものを常に探しているため、飼育していると良く「チッチッチ」という鳴き声に出会えます。つまり、あまり楽しそうじゃないとき……「チッチッチ」と全く言わないときは退屈な思いをしているかも…。
インコは常に色々なものに興味を持ってワクワクしていたい性格の子が多いので、別のおもちゃを見せてあげたり、おもちゃを週替わりにして刺激をあげると良いですよ。
「ピッ」と短く楽しそうに鳴くとき
→「お宝発見!」「わぁ♪」
とても興味があるのもを見つけたときに「ピッ」と鳴きます。オカメインコなど冠羽をもつ子は鳴き声と一緒に冠羽が立ち上がります。
新しいおもちゃをあげたときに「ピッ」と鳴いてくれたら、興味を持ってくれたんだなとすぐにわかりますね。
「この食べ物が好きなんだな」「このおもちゃはあまり好きじゃなさそうだ」とインコの好みを判断するのに役立ちますよ。
ぶつぶつ呟いている
よく一羽でいるときにもごもご、ぶつぶつ呟いている姿が見られます。これはどんな気持ち?
→落ち着きますなぁ~
気分が良いときの独り言です。人間がお風呂に入って思わず「ふぅ~」と言ってしまうような気持ちのときに呟いています。心身ともにリラックスできる、とても良い環境・状態が作れているということですね。
鳴き声でわかるインコの気持ち【不安編】
不安な時の鳴き声を紹介します。あまりにひどいとストレス過多で病気につながる可能性もあるため、注意が必要です。
ピー!ピー!と大声で鳴くとき
→どこにいるの?誰か来てー!
これは呼び鳴きの一種。一羽飼いをしており、ケージの中に入れている時間が長い子、独りぼっちでお留守番をしている子によく見られます。
インコは本来常に群れで行動する生きもの。基本的に一羽になることが少ない動物です。インコにとって「孤立すること=敵に襲われること」。死と隣り合わせの恐怖を感じる危機的状況なんです。
そのため周囲に人の気配がなくなると不安になり「誰か来て!」「誰かー!」と呼び始めます。
呼び鳴きがひどいときは精神的なケアを
あまりにも呼び鳴きがひどいと感じるときは、放置しすぎているかも。別の部屋に行くときは声をかけてあげるなど、インコを安心させてあげましょう。一羽でいる時間があまりに多い子は、複数飼育を視野に入れるのもおすすめです。
また放鳥時間が少ない子もひどい呼び鳴きをします。ケージに飼い主が近寄ると毎回「出して!!」と激しくアピールしてくる場合は放鳥時間が少なく、ストレスが溜まっているかもしれません。
そのほか、インコが一人寂しい場所にいると呼び鳴きを引き起こします。ケージを人間がいる環境に持ってくるなど、安心できる環境づくりをしてください。
鳴いてからフォローするのではなく、鳴かずに済むような環境づくりが重要です。
甘えていることも
しっかりと放鳥・お世話をしていて、かつ「いつも甘やかしているのに…」という場合は、インコが甘えて呼び鳴きをしていることがあります。人間に例えると、「いつもそばにいてくれるはずなのに、何で離れていくの?」なんて、ちょっとヤンデレ気味になっているかも。
その場合はあまり神経質にならなくても大丈夫。出かけるとき、姿が見えなくなる時に毎回声をかけてあげれば、そのうち「あ、呼んでも来てくれない時だ」と理解して呼び鳴きの頻度も下がります。
恋の時期は呼び鳴きが多い
呼び鳴きは、若鳥の頃にある思春期や発情期といった「パートナーを探す時期」にもよく見られます。飼い主にはどうにもできないので、愛情をたっぷりそそぎつつ落ち着くのを見守ってあげてください。
短く「ピッ!」と鳴く場合
→「わ!ビックリした」「怖いよ…」
これは怯えや不安の表れで、警戒鳴きの一種です。近くで物が落ちたり、急に電気が消えたり…びっくりした時に「ピッ!」と声が出ます。人間でいう「キャー」という悲鳴のようなものですね。
特に小さく弱く「ピッ!」と言うときは、精神的にかなりの不安が押し寄せているとき。その状態が続くと心を病んで、身体的な病気にもつながります。声が聞こえたら極力不安を取り除いてあげてください。
本気で怖い時は声が小さい
人間もそうですが、本気で恐怖を感じているときは大声で「キャー!」なんて言ってられません。息をひそめて、自分に注意を向けないようにします。
大声で叫んでいないからと言って、大丈夫と安易に考えないように。何かあった場合はインコの様子を観察してください。
鳴き声でわかるインコの気持ち【怒りと悲しみ編】
「ギャー!ギャー!」と大声で鳴くとき
→いい加減にしろよ!やめろ!
インコに不快感を与えてしまったときは、「ギャー!ギャー!」と鋭く鳴きます。怒りの鳴き声は声を聴くまでもなく態度や表情でわかりますね。
「やめてよね~」と軽く拒絶をするときは「ギャギャギャ!」と軽く言うだけで声量も小さめ。怒りレベルが上がるほど声が大きく鋭くなります。
怒りの鳴き声を聞いてしまったときは…
どうしても捕まえなければいけない…など、不快感を与える行為が必要なときもありますよね。
しかし、「ギャー!ギャー!」と大声で怒りや拒否反応をするときは、インコに相当負担がかかっています。そのまま放置すると修復不可能な関係性に陥ることも…。
拒絶反応をされたときは、インコの好きなことをするなどしっかりとアフターケアをしてあげましょう。
(怒りを通り越して恐怖に変わると声が出なくなることもあるので、様子見はしてください)
「ケッケッケ」と短く威嚇
→「おう、やるのか?やるのか?」「こっちに来たら攻撃するぞ!」
警戒鳴きの一種で、威嚇するときに鳴きます。飼い主がケージに手を入れてきたり、自分のなわばりに他のインコが入ってきたりするときによく見られます。
インコの言葉を理解してもっと仲良くなろう!
インコが今どんな気持ちなのかは「鳴き声」である程度判断できます。言葉がわからなくても、今こんな気持ちなんだな、ちょっとつまらないのかな?と、理解することがで着るんです。同じ言語に頼らずとも、以心伝心しながら暮らしていけます!
もっと仲良く楽しく暮らすためにも、今回紹介したインコの鳴き声を参考にしてください。