インコは暖かい場所で生息している生きもの。寒さに弱いためヒーターを使って暖かな環境にしてあげる必要があります。そこで今回はインコ用のヒーター情報をまとめました。ヒーターの種類や選ぶポイント、注意点もまとめたので参考にしてください。
インコ用ヒーターを選ぶポイント
熱すぎてやけどをしてしまうこともありますし、逆に全く温まらないものもあります。インコ用のヒーターを購入する際は「安全か」「温まるか」を重視しましょう。
サーモスタットはあった方が良い
温度設定は意外に大変です。温度は大丈夫か常に気を使わなければいけません。特に病気になった時は少し温度調整を失敗するだけで命を落としてしまうことも。
(私は温度計をケージの隅に置いておき、インコの近くの温度を計測していなかったために、一部の室温が上がりすぎて危険な状態まで体調を崩させてしまったことがありました…。それ以来サーモスタッドがないと怖くてヒーターが使えません…)
30分に1度温度計を見ていても、色々な要因であっという間に温度は変わります。温度調整機能のあるものがおすすめです。
★安全設計がされていても、確実ではありません。家の中にストーブがあるのと同じ感覚でちょっとした不具合でやけど、火事、窒息などいろいろなことが起こりえます。事前に「絶対はない!」という意識をもって対策しておくと安心です。
ワット数で暖かさをチェック
おすすめは20~40Wです。20Wの電球タイプを購入したことがありますが、ぬる~いホッカイロ程度の温度で、ケージを暖めるのに時間がかかると感じました。60W以上はやや熱いので、エアコンで部屋の温度設定をしている場合は熱すぎるかも。鳥が触らない対策も必要になってきます。
インコ用ヒーターは3種類!どれを選ぶべき?
インコのヒーターは「保温電球タイプ」「パネルタイプ」「止まり木タイプ」の3種類があります。それぞれメリットデメリットがあるため、飼育環境にあったものを選びましょう。
保温電球タイプのメリット・デメリット
ひよこ電球を使って空間を暖めるタイプのヒーターです。空気をあたため、ケージ全体の温度を高めてくれます。インコが直接触れない場所・ケージの外に設置するのが一般的です。インコヒーターの中では一番使い勝手が良いと感じています。我が家でもこのタイプを使っていますよ。
保温電球タイプはストーブのようなもの。触ると危険ですが暖かいところが良いですね。安全性を考えてカバー付きを選びましょう。
保温電球タイプは温度が上がりすぎてインコが熱中症になってしまう場合があります。サーモスタットなどの温度調整器具をあわせて使うと安心です。
パネルヒータータイプのメリット・デメリット
パネルヒータータイプはケージの側面に取り付けて使います。ヒーターの近くだけがあたたかくなるタイプです。設置すると、ヒーターの近くでインコたちがぬくぬくしている姿が見られます。
※パネルヒーターを購入したら思ったより熱くなりすぎたことがあったので、使用前に自分で触って温度をチェックしてください。ケージの下の隙間があまりない空間入れたことで温度が上がったのかも…。思わぬ事故になる場合があるので、製品の使い方はしっかり読み込みましょう。
止まり木タイプのメリット・デメリット
止まり木とヒーターが一体化したタイプ。足元からあったか~くなれます。
低温やけどのリスクは少し怖いですね。夜寝るときなど、飼い主が見ていない間でもピッタリとくっついていられる作りが心配です。とはいえ問題なく使っているインコはたくさんいるので、飼い主さんがしっかり見ていられれば使いやすいヒーターだと思います。
※低温やけどを起こしたヒーターはすでに販売が停止されています。最近の製品には温度制御機能のあるものが販売されており、安全性はかなり高まっているようです。(申し訳ないですが、筆者は使ったことがないので調べた限りの情報になります)
安全性 | 暖かさ | 使いやすさ | |
---|---|---|---|
保温電球 | ★★★☆☆ | ★★★★☆ | ★★★☆☆ |
パネルヒーター | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | ★★★★☆ |
止まり木 | ★★★☆☆ | ★★★☆☆ | ★★★★★ |
おすすめのインコ用ヒーター6選
タイプ別におすすめのヒーターを紹介します。
インコヒーターのド定番「保温電球タイプ」
空間を温めてくれる保温電球タイプから紹介します。保温電球は使いやすく温まりやすいため、おすすめ度ナンバーワンのインコヒーターです。
おすすめはコレ!「ミニマルランド 保温電球カバー付き 40W」
本体サイズ | 40×17×40cm |
温度 | +7℃ |
消費電力 | 40W |
インコヒーターの中でもイチオシのヒーターです!熱を放射して周囲の空気を暖めてくれます。スチール製のカバーで保護されているのでかじってしまっても安心です。値段が鳥用ヒーターの中では手頃な3000円前後なのもポイント。筆者が実際、長年使っている製品です。
※20W、40W、60W、100Wが選べます。使用する場合はサーモスタットの併用をおすすめします。
参考値
- 保温電球20w +4度
- 保温電球30w +6度
- 保温電球40w +7度
- 保温電球60w +10度
- 保温電球100w +15度
頑丈さを求めるなら「アサヒ ペットヒーター 40W」
本体サイズ | 直径8.5x18cm |
温度 | +7度 |
消費電力 | 40W |
全体的にがっちりとした作り。マルカンの保温電球よりもやや大きめです。購入した人の中には、マルカンよりも長持ちするという意見が多くみられました。やや高額で、冬場にAmazonを確認した時は1万くらいしていました。
※40W、60W、100Wまで選べます。使用する場合はサーモスタットの併用をおすすめします。
参考値
- 保温電球40w +7度
- 保温電球60w +10度
- 保温電球100w +15度
保温電球タイプは必須「サーモスタット」
保温電球タイプは温度調整ができません。サーモスタットと組み合わせて安全性を高めましょう。
寒いときに近寄って暖まる「パネルヒータータイプ」
近くだけを暖めるパネルヒータータイプを紹介します。
使いやすさナンバーワン『SANKO(三晃商会)「外付け式 バードヒーター(E55)」』
本体サイズ | 18.5×3.5×29cm |
厚み | 約25.5mm |
温度 | ±5℃以内 |
消費電力 | 20W(※最大値) |
部屋も暖かいし、そこまで暖かくなる暖房設備は必要ないんだけど…という場合は「外付け式 バードヒーター(E55)」がおすすめです!寒くなったら近づいて暑くなったら離れられるので、インコ自身で温度管理ができます。動作周囲の温度は10~40℃。暖かさはHighとLowの2段階に調整できます。コードは金属で保護されています。
※SANKO製のバードヒーターが故障し、発火、黒く焦げる事故があったようです(2022年に確認)。使用する場合は注意してください。原因解明、商品リニューアルなど確認できるまで購入はおすすめできません。最近のモデルで不具合が発生しているようなので、購入した人は製品を確認してください。
床暖房としても使える、国産「ビバリア マルチパネルヒーター 16W」
サイズ | 24×24×1cm |
温度 | 約25~45℃ |
消費電力 | 16W |
住宅用の床暖房にも採用されている製造方法でつくられたマルチパネルヒーターです。約25~45℃の間で自由に温度調整ができます。インコのお気に入りスポットを狙って設置しましょう。
足元からあったか「止まり木タイプ」
止まり木タイプを紹介します。
止まり木を取り外して使える「ほっととり暖 寄りそいヒーター」
サイズ | ヒーター:W85×D15×H130mm とまり木:φ10×長さ100mm |
温度 | 約40℃ |
消費電力 | 約5w |
親鳥の体温をイメージした約40度の暖かさ。こちらはMとLタイプがあります。Mタイプはセキセイインコがちょうど良い大きさ。Lタイプはセキセイインコの1.5倍程度で、オカメインコがちょうど良い大きさです。
止まり木は着脱可能なのでヒーター部分だけ使えて便利。例えば狭い場所が好きなインコの場合、お気に入りスポットの下に置いて床暖房のように使用することも可能です。
臆病なインコでも使える「ほっととり暖 とまり木ヒーター」
サイズ | W205×D60×H40mm (太さ:根元φ22mm 先端φ10mm) |
温度 | 約38℃ |
消費電力 | 5W |
止まり木型のホットヒーターです。いつも使っている止まり木に似せているので、警戒心が強いインコでも安心して使えます。
ヒーターは併用が良い?
Q:ヒータ―は併用が良いのでしょうか?
A:必ずしも併用が良いとは限りません。各家庭により暖房設備が異なるため「自宅の環境だとどうなる?」「熱すぎないか・寒すぎないか」を考えて選びましょう。
真冬の寒い朝でもケージの内部を15度以上にできるかどうかが基準です。
以下の記事で温度計についても紹介しています。興味のある人は参考にしてください。
(見出し「5、室温時計」参照)
ヒーターだけじゃダメ!保温環境も重要
ヒータ―を使うときは「ケージをカバーで覆う」「カバーで包んで温度を逃がさないようにする」など、空間を閉じることが大切です。
私たちも普段、暖房器具を使うときは窓やドアを閉めますよね。インコも同様です。ケージは冷たい空気が入り放題。暖かさもすぐになくなってしまいます。
ヒーターを使う場合は保温できる環境にしてあげましょう。
インコ用ヒーター使用時は低温やけどに注意
インコ用ヒーターはほんのり暖かいものが多いため、低温やけどの危険があります。インコがずっとくっついてしまわないように注意が必要です。
冬以外も保温すべき?
インコが暮らすための適温はありますが、一年中一定の温度という過保護すぎる環境下で育つと温度変化に弱い子になってしまい、ちょっとした寒さで体調を崩すことも。また体内の季節感が狂い、換羽期がだらだら続く、発情期を促す、という原因にもなるようです。
野生のインコは温暖な地域に住んでいる子が多いとはいえ、昼間が暑くて夜は冷え込むような地域もたくさんあります。あまり過保護に飼育するのもよくありません。冬のヒーター対策は大切ですが、一年中保温し続ける環境もあまりおすすめできません。
15℃を下回らない範囲で、インコにも季節の移り変わりを感じられるようにしてあげましょう。
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