長野県に行くと食べたくなるのが、ご当地料理「おやき」。もっちもちの生地に、味噌ナスや野沢菜が入っていて病みつきになるくらい美味しい料理です。
今回はそんなおやきを紹介します。
そもそもおやきって何?
おやきを知らないなんて…人生ちょっと損してる!そんなあなたへおやきの説明。
おやきは信州の郷土料理のひとつ。
小麦粉の皮で野沢菜やナス、あんこなどを包んで焼いたもので、おまんじゅうのような形をした食べ物です。
長野県って昔は雪が多いし山間にあるしでなかなかお米が育たなかったんですよね。だから、「おにぎり(お米)がないならおやき(小麦粉)を食べれば良いじゃない」って感じで食べられていました。(当時は米不足で深刻な時期もあったので、こんなに軽く言ってはいないと思いますが)
たっぷり具が入っているし、焼いたり蒸したりするからホクホクしてあったかい。冬寒い長野県にピッタリの料理だったんです。部屋を暖めるついでに囲炉裏とかに入れて焼いておけば良いので、調理の手間もありません。
ちなみに、「焼き餅」「あんびん」「ちゃなこ」「はりこし」 と呼ばれることもあるそう。筆者は長野県民ですが、焼き餅までならかろうじて聞いたことあります。
(他はまったく聞いたことありません。地域差ですかね~)
しょっぱい~甘いまでなんでもござれ!
おやきはごはん時にピッタリのしょっぱいものから、おやつに最適な甘いものまでいろいろな種類があります。
定番は味噌や塩で味付けされたしょっぱいもの。なす、きのこ、かぼちゃ、切り干し大根が良くあるメニューです。あとは野沢菜や山菜、クルミが入っているものもあります。
甘いものはあんこが多いかな。カスタードや抹茶、チョコ味も見たことがあります。どれもほんっとにおいしいですよ!
あとは変わり種で魚(イワシやサンマ)を使っている地域もあるそうです。
おすすめは断然しょっぱいおやき。特にナス味噌は最高です。
同じものがない!?おやきの味は家庭の数だけある
おやきにはコレ!という決まった味がありません。作った人によって、絶妙に味が違うんです。
例えば、煮物というとわかりやすいかもしれません。煮物って、分量や材料の大体のレシピはあるけど、各家庭でアレンジして作ってたり、目分量でつくったりしていませんか?
「おやき」はそんな煮物と一緒。レシピはあるけど「おばあちゃんから受け継いだ」とか「母親から作り方教えてもらった」とか、代々伝わる家庭の味として根付いていった料理です。
おやきを食べると「あれ、この前となんか違う」なんて思うかも。どのお店で食べても 全く同じ味じゃないのがおやきの面白いところです。
焼き・蒸し・揚げで食感が変わる
おやきはもともと“灰焼きおやき”として誕生しました。
材料は小麦や米、そばの実、木の実。それを粉状にして、水を加えて練り上げて平べったくしたものを、いろりのほうろく鍋に入れて表面を焼いたのち、灰の中に入れてじっくり蒸し焼きにしたものが炭焼きおやきです。
(ちなみにおやきが誕生したころは本当に、そのまま炭にポイっと炭の中に入れて焼いていました。だから「炭焼きおやき」と言われたんです。ただし、いまでは衛生面や味の問題から、この調理法はなくなりました。)
それがいろいろな家庭に伝わると、焼くだけじゃなくて、蒸したり、揚げたり、焼いた後に蒸したりと様々な調理方法が生まれました。
「蒸すとふかふか」「揚げるとカリカリ」「焼くとしっとり」「蒸し焼きはもっちもち」。どれも食感が異なります。
私は「焼き」(なければ「蒸し焼き」)がイチオシです。生地がねっとりもちもちしていて、おやきじゃないと食べられない食感。しいて言うなら、分厚くもっちりした餃子生地に包まれている感じ。ぜひお試しあれ。
ちなみに、善行寺近くは「蒸し」が主流
長野の観光名所「善行寺」の周囲は商人が多い町でした。そのため、時間をかけず手軽に作れる蒸しおやきが広がったと云われています。
おやきは信州の代表的な郷土食。長野県に行けば大抵どこの地域でも食べられます。
ただし、調理方法が異なるため注意。焼きが食べたいけど、蒸ししかないなんてことはよくあります。地域によって主流となる作り方が異なるため、地域を移動しないと食べられないことも…。
また、おやき自体購入できる場所は長野といえど限られています。昔はスーパーにあったけど、最近はだんだん見かけなくなりました。地元民でも手軽に手に入らないこともしばしば。
おやきを売っている場所は限られているので、購入したい場合は事前に調べておくことをおすすめします。
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