初夏の風物詩「森のホタル」ってどんなホタル?

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「草の葉を落つるより飛ぶ蛍かな」なんて、松尾芭蕉の俳句でもたびたび登場するほど、初夏の風物詩として親しまれてきたホタル。そんなホタルが、水場がない森の奥地でも見られるんです。

日本のホタルは水辺が一般的

森のなかでホタルが見られるといわれても、ピンとこないかもしれません。実際、日本で多く生息しているゲンジボタルやヘイケボタルは水生のため、ホタル=水辺の生き物と考えるのも当然の流れ。

さらに、昭和30~40年代の高度経済期には、川の汚染でホタルが激減したことも。ホタルを守ろうと水辺環境の保全や再生事業が活発化したことから、「ホタルがいるのは水がきれいな証拠」といわれるなど、ホタルが水生であるという印象はますます強まったようです。

世界では陸生が一般的

日本では水生がメジャーなホタルですが、世界規模でみれば、約2,000種類いるといわれるホタルのほとんどが、一生を陸の上で過ごす陸生。

森や陸地で生息するホタルのほうが多く、日本のように、水生のホタルが多い地域はとても珍しいんです。

日本の森にいるホタル

日本に水生ホタルが多いとはいえ、陸生のホタルもちゃんと存在しています。

なかでも「ヒメボタル」は、日本列島でしか見られない、日本固有の陸生ホタル。本州、四国、九州などの比較的標高が高い地域に生息しており、森のなかで見られることから、“森のホタル”と呼ばれています。

森のホタルってどんなホタル?

ヒメボタルの特徴は、水辺に生息するホタルよりも発光間隔が短く・強く光ること。そして、水生ホタルは黄緑色に光りますが、ヒメボタルは黄色く光る違いがあります。

黄金色の光が素早くパッパッと瞬く様子は、小さなカメラのフラッシュのようです。

また、ヒメボタルのメスは後ろはねが退化しているから飛べず、オスは飛ぶ力が弱いから遠距離移動ができません。そのため、ヒメボタルが光るときは、わたしたちの足元を照らすように、山肌や地面からほど近い場所で光る姿か見られます。

初夏の森でみる、幻想的な光の舞

真っ暗な森のなかで、数万匹のヒメボタルがいっせいに光輝く光景は圧巻のひとこと。ゲンジボタルやヘイケボタルと光り方が異なるため、水辺とは違う、森のホタルならではの光景は幻想的です。

木々の間で輝くホタルの群れは、水辺とはまた違った趣があります。初夏のお出かけに、森のホタルを見に行ってはいかがでしょう。

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